深夜のアイスとポテチは、意志の弱さじゃなかった。寝不足と体重の話(真面目回)

先に言っておきます。今日の記事は、いつもより長いです。

でも、育児中のパパとママ全員に関係する、大事な話です。ポテチでもつまみながら読んでください。

ことの発端は、体重計でした。前より、10kg増えていました。

心当たりは、あります。午前3時、ミルクを作って赤ちゃんを寝かしつけたあと、冷凍庫の前で立ったままアイスを食べている男。あれは僕です。

意志が弱いからだと思っていました。違いました。

調べてみると、「寝不足だと太る」は、もうはっきり科学的に証明されていました。そして育児中の僕らは、その「寝不足」の実験条件を、毎晩 無意識に再現しています。

今日はその証拠を3つだけ紹介します。数字は全部、記事の最後に貼った論文のものです。僕は科学者ではありますが、乳児の専門家ではありません(引用元は専門家です)。

証拠1:睡眠を1.2時間増やしたら、食べる量が勝手に減った

2022年、JAMA Internal Medicineという一流の医学誌に、こんな実験が載りました。

普段6.5時間未満しか寝ていない大人たちに、睡眠を1日あたり平均1.2時間だけ増やしてもらう。それだけです。運動の指示も、食事の指導もなし。

結果、たった2週間で、摂取カロリーが1日あたり約270kcal減りました。

270kcalは、だいたいカップのアイス1個です。寝ただけで、アイス1個ぶんの食欲が消えた。

逆に言えば、寝不足の僕らは毎日、アイス1個ぶんの「余計な食欲」を背負って戦っているということです。そりゃ負けます。

証拠2:寝ないと、脂肪じゃなくて筋肉から減っていく

もっと怖い研究もあります。

同じカロリー制限ダイエットをしてもらい、片方のグループは8.5時間、もう片方は5.5時間だけベッドにいる。体重は、どちらも同じくらい減りました。

ただし、中身が違いました。睡眠が短いグループは脂肪があまり減らず、代わりに筋肉が多く減っていたんです。

つまり寝不足のままダイエットすると、落としたいものが残り、残したいものが落ちる。在庫管理が下手な倉庫みたいなことが、体の中で起きます。

証拠3:寝不足の脳は、甘いものに投票する

実験室で睡眠を4〜5時間に制限すると、空腹感が増し、特に甘いもの・脂っこいもの・加工食品への欲求が強くなることが、繰り返し確認されています。

甘いもの、脂っこいもの。アイスとポテチ。うちの深夜のスタメン2枚が、論文に名指しされています。

増える摂取カロリーは1日200〜500kcal。しかも、その多くが夜の間食です。

午前3時のアイス。完全に論文どおりの行動でした。僕の意志ではなく、僕の脳の報酬系が投票した結果です。

ついでに言うと、1日4時間睡眠を14日間続けた実験では、摂取カロリーが約308kcal増えたうえ、内臓脂肪——いわゆるお腹の脂肪が増えました。つく場所が、一番よくない。

で、僕らはどうすればいいのか

こうした論文の実践的な結論には、だいたいこう書いてあります。「7〜9時間の睡眠を目指しましょう」。

書いた研究者の家に、うちの0歳を一晩お届けしたい。

7時間連続で寝られるなら、そもそも悩んでいません。育児中の睡眠は、こちらの意志では増やせないんです。だから今日の結論は、対策の前に「まず知っておくこと」です。

  • 育児中に太るのは、意志の弱さではなく生理学。まず、自分を責めるのをやめる。
  • 寝られるチャンスがある日は、家事より睡眠を優先していい。それは怠けではなく、科学的に正しい健康管理。
  • 睡眠を増やせないなら、防衛線は「食べ物側」に張るしかない

それから、これは父親だけの話ではありません。夜間授乳をしている妻は、僕より深い寝不足の中にいます。

3つ目の「食べ物側の防衛線」は、次の記事で書きます。たんぱく質を軸にする話、授乳中の妻のための鉄分の話、そして鍋という、包丁をほぼ使わない文明の利器の話です。

まとめ

寝不足だと太るのは、科学的事実です。だから育児中の体重増加は、意志の敗北というより、仕様に近い。

なお、この記事は例によって深夜に書いています。冷凍庫にはアイスが、戸棚にはポテチが待機しています。学びを、活かしていきたい。

参考にした研究

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