30秒でわかる、この記事
- 33か国、102件の試験をまとめると、語りかけ・応答・あそびには効果があった。
- 一番大きく変わったのは、実は親の側(育児の知識・親子のやりとり)でした。
- やることは難しくない。赤ちゃんが出したサインに、その場で応えるだけ。
※ 論文・公的資料の紹介です。発達の心配は、健診やかかりつけの小児科へ。
深夜のリビングで、赤ちゃんに向かって天気の話をしていました。

明日は雨らしいよ。洗濯物、どうしようかなあ。
相手は天井を見ています。目も合わない。
その瞬間、ふと思ったんです。これ、意味あるのかな。
結論を先に言います。意味、ありました。気休めではなく、研究のレベルで。
「話しかける」には、どのくらい根拠があるのか?
2021年にPLOS Medicineに出たメタ解析が、かなり強力でした。
33か国、102件のランダム化比較試験(RCT)をまとめたところ、親向けの介入は、子どもの認知、言語、運動、社会情緒、愛着、行動面に改善をもたらしていました。同時に、親の知識、実践、親子のやりとりも改善していました。
つまり、語りかける・応える・一緒に遊ぶといった関わり方は、だいたい意味があると。

ちなみに、親の抑うつ症状への直接の効果は一貫しなかったそうです。そこは正直に書いてあるのが、むしろ信用できると思いました。

WHOは、発達のために何を推奨しているのか?
WHOの2020年のガイドラインでは、応答的な養育(responsive caregiving)と早期の学びが、乳幼児期の中核的な介入として位置づけられています。
応答的な養育というのは、難しいことではなく、赤ちゃんが出したサインに、その場で応えるということです。声を出したら返す。見ていたものを一緒に見る。
もうひとつ大事なのが、WHOが栄養支援と発達支援の統合、そして母親のメンタルヘルス支援の統合も推奨しているところです。
つまり、食事と睡眠と発達と親のこころは、別々の話でない。このシリーズを書いていて、一番脈絡がつながったのがここでした。
発達が気になるとき、どこに持っていけばいいのか?
ここは日本が強いところだと思います。
こども家庭庁は、1歳6か月児・3歳児健診を法定で実施し、加えて1か月、3〜6か月、9〜11か月の健診などの体制整備も進めています。
だから、論文をひとりで読み込むより、この順番が現実的でした。
- 健診で気づいたことを話す
- 必要に応じてガイドラインやレビューを見る
- かかりつけに相談する
もうひとつ。JECS(子どもの健康と環境に関する全国調査)の大規模研究では、母子ボンディングの困難が全国規模で把握されています。「かわいいと思えない」は、珍しい欠陥ではなく、研究の対象になっているということです。
これは、知っておいて良かったと思った事実でした。しんどいときに相談するのは、甘えではないと。
まとめ
返事がなくても、話しかけることには意味があった。そしてそれは、親のほうにも効いているらしい。
なお、翌日の天気は晴れでした。赤ちゃんに謝りました。
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